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ピアノ講師の気まぐれブログ

バイエルってなに?やらなきゃいけないの?

みなさん、バイエルってご存知ですか?

音楽に触れたことがある方は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

バイエルといえば、「ピアノ教則本」をイメージすることが多いと思います。

今回は、「バイエルって何?」「やらなきゃいけないものなの?」

この2つをテーマにお話ししたいと思います。

 

◇バイエルって何?

 フェルディナント・バイエル(Ferdinand Beyer, 1806-63)は、19世紀にドイツで活躍した作曲家・編曲家。彼は、ピアニスト、ピアノ講師としても活動していました。この時代は、ロマン派と呼ばれ、同世代の作曲家にはシューマン(Robert Schumann, 1810-56)やワーグナー(Richard Wagner, 1813-83)がいます。この2人の作曲家は、バイエルと同じくライプツィヒ大学で学び、彼らは学業の傍ら音楽活動をしていたようです。

 バイエルは、自作のピアノ小品や、交響曲など当時の有名作品をピアノ用に編曲した作品で知られていました。しかし現在では、「バイエル・ピアノ教則本(《ピアノ奏法入門書 作品101》)」以外の作品は忘れ去られています。しかもこの教則本が現在も使用されているのは、日本と韓国にほぼ限られています。

 1850年頃に出版されたこの「ピアノ教則本」は、1880(明治13)年にアメリカの音楽教育者メイソン(Luther Whiting Mason, 1818-96)が文部省の音楽教育機関として設置されたばかりの音楽取調掛の指導者として赴任した際に、彼が輸入したことがきっかけで日本で普及しました。当時、彼が輸入した教則本は20冊で、日本の公的なピアノ教育は、この教則本とともに始まったのです。

(参考文献:『ニューグローヴ世界音楽大辞典』 講談社

 

◇バイエルはやる必要があるのか?

 上記で説明したとおり、バイエルの教則本は日本のピアノ教育において欠かせない教材でした。その名残りもあってか、現在も幼稚園教諭・保育士の実技試験の課題などではバイエルが取り入れられています。

 しかし、バイエルはピアノの入門書として必要な教材かというとそうではありません。実際、私自身はバイエルを習うことは一度もありませんでした。現在、バイエルに変わって使われる教材としては、バーナムやバスティンが多く、最近では「ぴあのどりーむ」という教材を使っている教室も多くあります。

 この教材が作られた当時は、現代に比べ、音楽が複雑ではありませんでした。その為、現代的なリズムやハーモニーを学ぶにはあまり適さない教材なのです。また、当時の音楽によくみられた、右手でメロディ&左手で伴奏という形が多く、やや偏った練習課題であるというデメリットもあります。中でもバイエルの最大の問題点は、ト音記号に重点がおかれており、ヘ音記号が読めなく(弾けなく)なりやすいということです。

 バイエルは、例えば機能和声など理論を中心に学ぶ補助教材としては、わかりやすく良い教材だと思います。しかし、論理的思考ができない年齢や、ピアノを楽しみながら学びたい人にとっては退屈になりがちな教材と言えるでしょう。

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今回は、バイエルについてご紹介しました。

教材選びは、年齢や個々の性格、進み具合に合わせて行うべきものです。ピアノを学ぶ上で、教材選びは大きなウェイトを占めるといっても過言ではありません。

当教室では、個人に合わせた教材選び、練習プランをご提案させて頂いております。レッスンでは、生徒さんのレベルや目標に合わせて、基礎からゆっくり丁寧にレッスンを重ねていきます。

西薗ピアノ教室では、無料体験レッスンも行なっておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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